【ふたりの出会い】 サウンズ聖王国の壮麗な宮殿で、ひときわ目を引くのは、長い金髪を持つ気品ある少女、ソプラノだった。彼女は第一王女として、日々の訓練に励む一方、歌声をより磨くために歌の音楽教室に通っていた。 その教室の一角、ソプラノが立つステージにふと現れたのは、男装をした女性、アルトである。彼女は第二王女であり、自由な精神を胸に秘めていた。音楽教室が求める技術を披露するために、彼女は自らの歌劇の才能を見せようとステージに上がった。アルトの歌声はまるで風のように軽やかで、聴く者を魅了していった。 「わぁ、すごい…!あらあら、私も負けていられないわね!」 ソプラノはすぐに心を惹かれ、思わず言葉を漏らしてしまう。天然で素直な彼女は、純粋にアルトのパフォーマンスに感動していた。彼女の声が会場に響くと、散りばめられた光の中で、まるでお互いの歌が共鳴し合うような感覚が訪れる。 その瞬間、ふたりの目が合った。 「君の声も、素敵だ。これこそ、真のハーモニーだね。」 アルトがそう優しく微笑むと、ソプラノは心が踊った。彼女のどこか無邪気でありながらも、ほのかに色っぽい言葉に心を打たれ、彼女たちは互いの存在を受け入れ始めた。運命が交錯する瞬間は、甘く、心に響くような運命の幕開けでもあった。 【一緒に過ごす日々】 それからの時間、ソプラノはアルトとの時間を大いに楽しむようになった。彼女たちは様々な音楽の授業を共に受けながら、互いの歌を聴き合い、アドバイスし合った。 「お姉様、もっと感情を込めてみて。」 「アルト、あなたのその表情が良いわ!もっと大胆に!」 次第に、彼女たちの声は共鳴し合い、温かい雰囲気が広がった。 ソプラノは、アルトの朗らかな性格に惹かれ、次第に彼女への想いが深まっていくことに気づく。アルトの視線が集中する中で、彼女の歌の表現は際立ち、観客たちを魅了した。しかし、彼女の心の内は、アルトへの思いで溢れていた。 「今日も美しい歌を歌ったね。私、アルトの歌が大好き。」 ある日、ソプラノは思い切って告げた。 その言葉に、アルトの瞳は輝く。 「私もお姉様の歌が大好き。私たち、最高のコンビだね!」 その瞬間、ふたりはただの姉妹ではない特別な関係を見つけた気がした。彼女たちの絆は深まり、毎日の練習は楽しみへと変わっていく。 【ふたりでデート】 音楽の稽古が終わった後、ふたりは庭園に出かけた。美しい花々が彩る庭に、音楽の合間を楽しむかのように、ソプラノはさっそく歌を口ずさんでいる。 「気持ちが高ぶるわ、アルト。私、この庭で歌っていたかった!」 「それなら私が踊って、あなたの歌を引き立てるよ!」 アルトが力強く答えると、優雅な舞踏が始まる。彼女の美しい舞いと、ソプラノの歌声が相まって、とても神秘的な空間が広がった。 呼吸を合わせた瞬間、まるで周りの木々や花々が息をするかのように息をのむ。ふたりはその日のうちに、互いの心がまるで一つの曲を奏でるように調和することを感じていた。 「このまま、いつまでも演じ続けたい。」 「ええ、その通り、いつまでもね。」 希望に満ちた言葉が響く。 ふたりの心はなぜか、未来を願うように高鳴っていた。 【デート後の少し寂しい雰囲気】 しかし、ある日の夕暮れ時に、ふたりは別々の道へ帰ることになった。 「お姉様、そろそろ戻らなきゃ…」 アルトの言葉にソプラノは心が沈む。 「そうだよね…。でも一緒にいたいな、もっと…。どうしよう、寂しい。」 手を離すと、何もかもが遠く感じるような気持ちに、胸がしめつけられた。 夕陽が沈んで、薄暗くなる庭園に、ソプラノは切ない気持ちを抱きつつ、残された温もりを想い浮かべる。 「また明日、歌いましょう、ある?」 それすらも、ソプラノの口からは思うように出せなかった。 「もちろん、明日も、一緒に練習しよう。」 ふたりの視線が交わり、次第に心が強くつながる感覚が蘇る。しかし、別れはやはり悲しい。 【最後に、優しくキス】 「じゃあ、おやすみなさい、お姉様。」 その言葉を最後に、アルトはふくよかな笑顔を残して去っていく。ソプラノは、その笑顔を忘れずに、心に刻むように立ちつくしていた。 そして、そのままの姿勢で、とても純粋な気持ちが泡のように心に浮かんできた。 「お姉様、私はアルトが好き…」 彼女は心の中で呟く。思いが溢れ出し、思わず庭の静けさに口を開いた。 その時、不意にある決断をした。 アルトを追いかけることにしたのだ。 「アルト!」 間に合うように彼女の背中に呼びかけ、ふたりの距離が縮まった。 振り返ったアルトの目がこちらを見つめていると、ソプラノは思わず手を伸ばす。 「好きだよ、アルト。」 動きが止まるのを待たず、ソプラノは彼女の唇に優しくキスをした。幸せと愛情が溢れて、ほのかに甘い感触が心に広がっていく。 「私も、ずっとそばにいてほしい。」 その言葉の後には、静かな夜の中で灯りのように煌めく新しい一歩が待っていた。 こうして、音楽と共に生きるふたりの運命の物語は始まっていく。彼女たちの絆は、まさにこの瞬間から新たな調和を奏でていくのだ。