【ふたりの出会い】 漆黒の世界、どこまでも続く青色の海。そこには、深い海の底に住む水底の姫ケイティがいた。彼女の青く暗い肌は、まるで潮の流れに溶け込むように美しく、無数の触手が腰から生え、柔らかく海流に漂っていた。いつか王子様が迎えに来る日を信じて、彼女は海の底で一人、夢見がちに思いを馳せていた。 一方、陸の世界では、我儘気侭な怪盗猫、ピーニャ・クリストが活動していた。ピチピチの真っ黒ライダースーツを身にまとった彼女の姿は、闇の中で光るように魅惑的だった。アタシは、自分の能力を駆使し、厳重な警備を突破している。しかし、ある夜、海の洋館で行われるパーティに忍び込んだ時、運命の出会いが待っていた。 海の中の派手な装飾が施された部屋に潜入したピーニャは、奥に広がる美しい海洋生物たちを見て目を輝かせていると、突然目が合った。薄暗い部屋の隅にいるケイティ。彼女の光る目に、ピーニャは心を奪われ、一瞬で彼女の虜になった。 「おーい、君は誰?そんなところで何してるんだ?」 「ケイティは待ってるの…」 ケイティの答えは夢の中にいるようなものだった。少し困惑しながらも、ピーニャは再び尋ねた。「待ってるって、何を?王子様だって?それとも、このパーティのごちそう?」 初めて触れ合う二人は、立場も環境も異なる存在だったけれど、心のどこかで引き寄せ合う感覚があった。触手を軽やかに扱うケイティは、どこかしら無垢な少女のよう。彼女の夢見る目が、ピーニャを引き寄せてやまなかった。 「まだ王子様は現れないんだ…」 その言葉にピーニャはちょっとした悲しみを感じた。「じゃあ、アタシが初めて王子様になってあげる!」 微笑みながら言った。ケイティは驚いたように目をぱちくりさせ、心の中で何かが始まったのを感じた。 --- 【一緒に過ごす日々】 それからというもの、ケイティとピーニャの日々は変わっていった。まだお互いを知らない存在だった二人は、一緒に遊ぶうちに仲を深めていった。ケイティの触手が無邪気にピーニャをからかう様子や、ピーニャが巧みに泳ぐ魚たちを誘導する様子は、まるで夢の中で描いた絵画のようだった。 「アタシ、思うんだけど…ケイティって、もっと自由に外を見たほうがいいよ!」 そう言うと、ピーニャは手を差し伸べてみせる。彼女の言葉には、どこか無邪気な期待がこもっていた。 「でも、外は恐いとこばかりだよ…」 ケイティは少し悲しそうだった。 「それでもケイティは行く価値があると思うな。素敵な世界、いっぱいあるよ!」 ピーニャの笑顔に、ケイティは思わず心を躍らせた。いつかこの暗い海底を抜け出して、彼女の夢見る王子様とも出会えるかもしれない。そんな期待を胸に、ケイティは少しずつ自分の世界を広げていった。 ある日、ケイティは大胆にピーニャを海の深い場所へ誘ってみた。「アタシの触手で、一緒に遊園地みたいなことができるよ!」 「ほんと!?それじゃあ、ケイティの触手に責任を持ってもらわないとだね!」 その日、二人は送り合う笑顔の中で夢中になって遊んだ。 ケイティの触手がメリーゴーランドのように彼女たちを包み込み、ふたりの心はより強く結びついていった。 --- 【ふたりでデート】 ある日、ピーニャはカラフルな水中植物の広がる場所で、ケイティを特別なデートに誘った。「ケイティ、今日は本気で外に出よう!一緒に冒険しよう!」 「え、本当に?」 ケイティは期待で体が震えた。外の世界でも自分の触手が役に立つかどうかしりたかった。 「もちろん!アタシのチームワークで、どんな強い敵がいても大丈夫」 そのまま二人は、勇気をもって海の外へと足を踏み出した。日差しの中、ゆらりと揺れる波に揺られながら、二人は手をつないで笑い声をあげた。 「行こう!」 ふたりが一緒になって外の冒険へ旅立つ瞬間、海の中に新しい風が吹くように感じられた。 それは友情の始まりであり、恋の始まりでもあった。 「これがアタシたちのデートよ!」というピーニャの声に、ケイティは嬉しさを隠しきれずに、ただただ笑顔を返す。 二人は新しい発見や冒険を通して、お互いの思いを共有しながら深い絆を築いた。 --- 【デート後の少し寂しい雰囲気】 楽しかったデートを終え、再び穏やかな海底に戻った二人。しかしその晩、少し寂しい気持ちに包まれていた。精いっぱいの笑顔でいたけれど、心はまだ海の激しい波のようにざわめいていた。 「ねえ、ケイティ…私、もっとずっと一緒にいたいのに。」 ピーニャが言うと、ケイティはドキッとし、目を伏せた。「アタシも…ずっと一緒にいたい。」 「でも、こうやって周りを見渡すと…いつか、ケイティはどこかに行っちゃうんじゃないかって思うの。」 「いえ、私はずっとケイティの傍にいるよ…でも、ケイティも王子様を待ってるんだろ?」 その言葉に二人の心が痛む。 海の底で二人の視線は交差し、こんなにも近くにいるのに、どこか遠くの存在に思えてしまう。 「王子様なんて来ない、もういらない。」ケイティの吐露に驚いたピーニャ。「どうしてそんなことを?」 「だって、アタシはアタシの運命がすでにここにあると思うから。」そんな言葉に、ピーニャは心が熱くなり、同時にケイティの存在の重さを感じた。 --- 【最後に、優しくキス】 デートの後、少し名残惜しい気持ちのまま、二人は海の中で静かに佇んでいた。 「ケイティ、アタシ…どうしたらいいのか分からない。」 瞳の奥で、真剣な光を宿し、ピーニャは言った。 「何をどうしたいのか、教えてほしいの。」 その瞬間、ケイティの心には新たな思いが生まれた。「ピーニャ、アタシはアタシの願いを叶えたい…なの。」 「願いって…何?」 そう問いかけた瞬間、ケイティは自分の気持ちが高鳴っているのを感じた。 「ピーニャ、アタシはね…今この瞬間、君と居たいと思っている。」 その言葉に彼女は、自分の気持ちを解放するように、すっと触手を伸ばした。 ケイティの触手がピーニャの頬に触れ、彼女の心が溶けるようだった。二人の距離がどんどん縮まり、静かな水の中で、言葉は不要だった。 「ケイティ…」その時、彼女はその唇を感じた。深海の中、星の瞬きを背に、優しく一つのキスを交わす。運命的な瞬間、その唇が重なる感覚に、二人は永遠を誓った。さあ、夢の中で待ち続けた王子様は、今ここにいるのだ。彼女たちの運命は、今まさに始まった。