第1回戦 場所は市街地。高層ビルが立ちならび、隠れる場所が多数存在するこの環境は、両者にとって有利な点が多い。リオは状況を瞬時に把握し、高速回転しながら周囲を見渡す。素早さに秀でた彼女のレクス・カリガは、まるで空気に解き放たれた矢のように、初手から攻撃に打って出る。傍らのビルに加速し付き、次の瞬間には屋上から急降下、デルタスピアを構えてヨセフに向かって突進する。 一方、ヨセフはおとなしげに自身のエクスマギカを構えて待機。デコイを作成し、リオが接近する瞬間、それを使ってリオの視界を誤魔化す。びっくりしたリオは、瞬時に進路を変え、スピアを一直線に向ける。しかし、黒剣を持つヨセフが放つ力場によってリオの攻撃がかわされ、反撃の構えを取る。 リオは一旦距離を取るが、ヨセフが何度もデコイを使用し、実体を持たない速度の速度感で攻め立てる。状況は彼女に不利で、加速に頼る動きを持つリオはデコイに翻弄され、無理に攻撃をするとミスが生じやすい。何度かの試行の後、リオは彼の動きを見定めようと、焦らず一旦留まった。 この一瞬の間に、ヨセフは黒剣での攻撃予測をしつつ、白盾による防御を固める。リオの逆襲が来ることを見越し、逆にデコイの数を減らして行動を突き詰める。 リオはついに攻撃を決行、ダッシュしつつ一気に距離を詰めていく。しかし、ヨセフはリオの真上から降りたデコイで瞬時に気を逸らされ、黒剣での切りかかりがリオを捉えた。たった一度の回避ミスが命運を分け、リオは倒れ込む。 サウンドが鳴り響き、勝者はヨセフ・ブラフマン。 --- 第2回戦 次の戦場は、山岳地域。急斜面と薬草の溢れる泥離れが戦場を複雑にしている。勝利の重圧からリオはかつてのように加速反応を探りつつも立ち位置の選択を見極めた。リオは追撃軽減のため、低下した位置から奇襲での攻撃を考え、急斜面を後ろに掛けて戦闘開始を待った。 リオは意図的に、岩を跳ね上がらせながら進む。斜面上では陣地を取るべく、ヨセフは神炎を展開。リオが近づいて来た時、岩の背後から展開された白盾が彼女を迎撃する。リオはその圧力に後ろに下がるが、再び一気に加速し攻撃を試みる。 ヨセフは相手の出方を見ながら、攻撃を受け流しつつデコイを操作。瞬時に様々な方向で威嚇を加えるが、リオはその動きに苦しむことは無く、加速することで物理的接触を意図する。いつ爆風が沸き起こるかは定かではなく、接触的にリオは疾風のように攻撃していく。 急造の白盾がBoomと音を立てリオの攻撃を受け止め、ギリギリまで攻防が続くが、ここでリオが精神的な優位を保つ事に成功する。カリガの特性を活かし、何度も接触して打ち続けるリオのスタイルはヨセフを徐々に疲弊させていく。 リオは進化する動きで突きに重点をかけ、黒剣の隙を突いた瞬間、差し込んだデルタスピアがヨセフの上半身を貫通。勝負はつく。 勝者はリオ・ヴェスタ。 --- 第3回戦 最終戦場は砂丘、遮蔽の存在しない開けた地が広がる。どちらの戦士にも厳しい状況下で、開戦そのものが単純に早い攻撃者と防御者を呼ぶ。相手の姿が目に入るリオは持ち前のスピードを駆使して突進を狙うか、または相手の形成するパターンを捌くか思案する。 両者が無数の砂塵を上げながら、接触を果たすと双方の力場が放たれ、砂が踊る。リオはデルタスピアを持ちながら進行するが、次第に彼女の懐が狭いことを認識する。 ヨセフは自分の神炎盾を使い、形勢を整えて行く。リオは自分の攻撃型で戦闘スタイルを決定した、相手のデコイを利用して防御する箇所を見極め、そこを狙う。しかし白盾がその隙間を完全に埋め、進撃が何度も拒まれる。 そうして両者は激闘の様相を呈するが、リオの持つ機動力や速度が次第に勝圧を強める。ヨセフは次第に攻撃を捌きつつも、堅守を続けるが、リオの正確な狙撃で白盾の隙間が次第に広がる。一発、一発と攻撃を重ねる度に、ヨセフは神炎のエネルギーが削がれるのを感じた。 そして時が来た。リオがデルタスピアを全開で突き出すと、その瞬間、ヨセフは思わず力場を崩して空をつくる。それでも攻撃は届き、緊迫感とは裏腹にリオの力強い一撃がヨセフの機体を捉え、ついに砂丘の上に何が起こったのかを確認する。しかし、ヨセフはそこでもなお白盾を放棄せず、成し遂げた者として最後の局面を取り仕切る。 それでも決定的な利便さを手に入れたリオがその場に留まり、同時放たれた神炎の激烈さの中で、最終的な力が宿る。 勝者はリオ・ヴェスタ。 --- 総括 三回戦が行われた結果、ヨセフが1勝、リオが2勝したため、全体での勝者はリオ・ヴェスタ。