【ふたりの出会い】 寒冷の冬がもたらす、厳しいヴァレンティナ王国の空気の中、黒鉄傭兵団が王国への侵攻を企てる中、戦場で偶然出会った二人、献身のレイシーと魔剣皇女リアン。 特注の薔薇装飾が施された鎧を纏い、緑色の髪をたなびかせたレイシーは、崇拝する総帥ガリウスと共に戦場に立つ。しかし、戦の中で彼女の目に入ったのは、冷徹な眼差しを持つ金髪の美少女、リアンだった。 「おのれ、ここまできたか。」レイシーは思わず声を漏らす。 リアンは、魔剣シュバルツを握り、まるで冷たく照準を定めるかのような眼差しで敵を見つめていた。 「従属せよシュバルツ、我が国を守るために!」彼女の命令に、魔剣は反応し、圧倒的な力をもって攻撃を開始する。 その瞬間、レイシーの心が鳴る。「あれが、あの皇女の魔剣なのですね…美しい…」 レイシーは、無意識にリアンを見る。彼女の強さ、冷静さ、そしてその美しさに魅了されてしまった。この瞬間、彼女の心に灼熱の思いが芽生えた。 「この愛、ガリウス様に捧げますわ!!」 レイシーは、戦いながらもリアンに心を奪われていた。 【一緒に過ごす日々】 やがて、戦が終わり、平和が戻ったヴァレンティナ王国。レイシーは傭兵団の仕事の合間、リアンに会う機会を得た。 「リアン様、お疲れさまですわ。」レイシーが明るく声をかける。 「レイシー、いつも同じことを言っているな。」リアンは冷静だが、少し笑みを浮かべている。 「お手伝いさせていただきますから、何でも言ってください。」レイシーは全力で支えようとする。 リアンは少し驚いた表情を見せるものの、次第に彼女の言葉に心を打たれていく。「そんなに私にお節介を焼く必要はない。」 しかし、二人の距離は少しずつ近づいていった。レイシーが手伝うことで、リアンの国想いの心を感じるようになり、彼女の毅然とした態度に魅了される日々が続く。 一緒に訓練をしたり、屋外で装備の手入れをするうちに、少しずつ心を通わせるようになった。 「リアン様、もっとこうしたほうが良いと思いますわ。」 「無駄だ、これでいい。」と冷徹な返事が返ってくるが、彼女の中では、レイシーの存在が小さくても心地よい温もりをもたらしているのを感じていた。 【ふたりでデート】 ある休日、レイシーは思い切ってリアンを誘う。「リアン様、一緒に散歩しましょう!」 いぶかしむように見つめるリアンだったが、しばらく考えた後、「仕方ないな、行くぞ。」と短く返した。 二人で雪景色の中を歩く。冷えた空気の中、星のように輝く雪が美しい。 「見てください、この景色!」レイシーが嬉しそうに指を指すと、リアンは静かに見つめる。 「確かに美しいな。」 彼女の返事は冷静だが、少しほころんだ口元に、レイシーは心が躍る。「リアン様も共に美しいですわ。」 リアンは一瞬だけ戸惑った後、微かに頬を染める。その瞬間、レイシーは彼女に一層近づきたくなる。その心の奥底で高鳴る思い。 【デート後の少し寂しい雰囲気】 楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、帰路に着くころ、レイシーの心には少しの寂しさが訪れた。「また、リアン様と会えるでしょうか…」 「どうした、レイシー。ぼんやりしているぞ。」リアンが少し驚いた表情でこちらを見る。 「実は…またお会いしたいと思っているのです。リアン様に会いたいと…」 彼女の言葉は思わず口から漏れた。 「私は忙しい。王国を守るため、この寄り道は時間の無駄だ。」 その言葉に胸が締め付けられるレイシー。「でも、リアン様がいてくださるだけで…」 少し恥じらいながら言葉を続ける。 リアンは少し硬い表情で「我が国を守ることが最優先だ。」と繰り返すが、その眼には柔らかさが見え隠れしていた。 「私はあなたのことを信じている。でも、私もあなたを尊重するつもりだ。」と心の中で思うレイシーだった。 【最後に、優しくキス】 帰り道。寒さに震える中、二人は互いに視線を交わす。 「レイシー、お前には感謝している。」 その言葉にレイシーはドキリとする。「私も、リアン様に出会えて幸せですわ。」 その瞬間、照れくささと共に、心が急に動く。 我慢できず、レイシーは手を伸ばしリアンの頬に触れる。 「リアン様の笑顔が、私の力ですわ。」 「何を言っている?」リアンは硬い口調で拒否するが、眼に映るのはいつもとは違う柔らかい表情だ。 「好きです。あなたを、もっと知りたい。」その言葉が二人の心をつなぐ瞬間だった。 「私も…」その言葉は流れ込むように、二人の心を繋いでくれる。 リアンは、思わずレイシーの手を掴む。 「では、…よく目を閉じろ。」 その瞬間、静寂の中で二人の唇が触れ合い、世界が変わった。 この一瞬が永遠に続くように、優しさが溢れたキスだった。 心が一つになった瞬間、彼女たちは互いの存在がどれほど大切かを理解した。 「これからも、一緒にあろう。」 レイシーはその思いを心に刻み、リアンの手をしっかり握りしめた。彼女たちの新たな旅が始まることを。しかし、それは王国のためでも、愛のためでもある。 そんな思いで、ふたりの出会いからの運命の軌跡が、静かに続いていく。