「戦争の鼓動が聞こえる…」エゼル・グラウドは、蒼穹を見上げながら静かに言った。目の前には、遥か上空に浮かぶ巨大な影、アーセナルバードがあった。その姿はまるで城のように雄大で、無数の小型無人機がその周囲を取り囲んでいる。 「永遠に続く戦争の始まりだ。私の望む世界を作るためには、まずこの空の支配者を打ち倒さなければならない。」彼は決意に満ちた表情で周囲を見回し、彼の指揮する数万の人工魔人たちに目を向けた。彼らは一斉に武器を担ぎ、命令を待っている。 その頃、アーセナルバードの中央AIが戦術を練っていた。「敵の数、確認。位置情報、スキャン完了。」無人機のAIたちが次々とデータを送信し、中央AIがそれを統合する。 「まずはヘリオスで先制攻撃を。敵の集団を無力化する。」指示が出されると、地表に猛烈な青白い炎の大爆発が起こった。敵の一部が爆風に飲まれ、消え去る。 エゼルはそれを見て冷静に指示を出した。「不必要な損失を避けるため、前衛を出せ。後方からの狙撃を行う!」赫焰拳銃「ラグナロク」を携えた魔人たちが前に進み、エゼルは高精度の射撃で次々と無人機を打ち落としていく。 「きたか、賢い奴だ...だが、それでは足りない!」アーセナルバードの反撃が始まる。80機の小型無人機が一斉に動き出し、エゼルの指揮する魔人たちを包囲するように、飽和攻撃を仕掛けた。 「全弾発射!」エゼルは叫び、赫焰突撃銃「バルムンク」で応戦する。弾丸が次々と空に放たれ、炸裂音が響き渡る。しかし、次々に襲いかかる無人機たちの猛攻に彼の部隊は圧倒され、士気が薄れていく。 「この戦場は、私が支配する!」アーセナルバードが絶え間ないレーザー砲を照射し、戦場を焦土化していく。エゼルの冷静さが崩れ始め、彼は急いで再編成を命じるも、次第に状況が厳しくなっていく。 「くそ、我が手の者よ、まだ戦えるか?」彼は周囲の魔人たちに問いかけるが、彼の声は少しずつ届かなくなっていた。 「反撃する時間はない…!」エゼルは戦況を見つめながら、心の中で葛藤した。戦争の夢は彼を包み込んでいるが、彼自身が死を迎えようとしている。 最高潮に達した瞬間、アーセナルバードは青白い炎で彼の部隊を覆い尽くした。エゼルの目の前で、天空の巨影がその全力で彼を射抜く。 「終焉だ…」エゼルは静かに目を閉じた。彼が望んだ戦争は、この瞬間に消え去る運命にあった。 勝者は、遥か上空の戦略無人空母「アーセナルバード」だった。